予定利率が低いから外貨建ての個人年金が注目されている [2003/07/28号]
 老後資金づくりの代表的な商品として思い浮かぶのが保険会社の個人年金だろう。しかし、現在のような予定利率の低い時期に定額型の個人年金に加入すると、契約期間中に低い予定利率が適用になるため、有利とは言えない。そこで、高金利が得られる商品として外貨建て個人年金が注目されている。
 たとえば、米ドル建ての個人年金保険「えんドル君」。この仕組みをチェックして見よう。
 保険料払込方法は一時払いのみで、ドルで支払い、ドルで年金を受け取る商品だ。最低保険料は5年確定年金で3000ドル。円入金と円支払の各特約を付加すれば円での入出金が可能だが、その場合は為替リスクを伴う。このとき適用になる為替レートはTTM(対顧客電信仲値)で為替手数料はかからない。
 据え置き期間は6年と10年の2タイプ。予定利率は市場金利に応じて毎月設定され、契約時の予定利率は据置期間中変わらない。
 7月の予定利率は据え置き期間6年で保険料が1万ドル未満の場合は0.8%、1万ドル以上の場合は1.0%、据え置き期間10年で1万ドル未満は1.44%、1万ドル以上1.84%である。
 また、従来の定額型個人年金は保険料の中に保険会社の経費に相当する付加保険料が含まれているため、保険料がすべて予定利率で運用されるわけではない。
 ところが、「えんドル君」は払い込んだ保険料すべてが予定利率で複利運用される。ただし、途中解約したときの解約控除は要注意だ。
 据置期間6年の場合、経過年数に応じて8%から2%、10年の場合は10.5%から3%の控除率が適用になる。現在のように予定利率の低いときは途中解約によって元本を割り込む期間が長くなる。
 商品は以上だが、これだけで判断してはいけない。「えんドル君」を検討するということは外貨運用を検討することだ。目的は6年後あるいは10年後により多くの収益をあげることである。ならば、個人年金同士の比較ではなく、外貨建て運用商品同士の比較をした上で判断することが重要である。
 たとえば、ドル建て1年定期が0.2%程度、ドル建てMMFが0.5%程度と比較する。「えんドル君」の予定利率が魅力的に思えるが、据置期間中予定利率は変わらないため、今後の金利動向が判断材料の一つになる。
 また、米国債へ投資した場合、運用期間が6年だと約2.6%、10年だと約4%。口座管理料などの諸費用や投資金額、解約の可能性など、総合的に考えてどの手段が適切かを判断すべきだ。(内藤眞弓)